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2020年の抱負

ニコニコ動画のラウドネスノーマライゼーション(自動音量調整機能)について

PCオーディオにおけるビットパーフェクトという言葉は、元々OSのリサンプリング、ミキサー、リミッタ―などの標準機能をバイパスすることが目的で使われ始めた。それが転じて、再生に余計な機能を無効化した方が良いということになり、それに特化した最適化ソフトやオーディオPCなんかも出てきた。でも、そろそろ、何が悪影響をもたらして、何が有益なのかを個別に考えた方が良い頃合いだと思う。

このラウドネスノーマライゼーションも今まで「余計な機能」とされていたものの一つ。そもそも音圧競争以降のピークレベルが常に0dBFSに近接した音源は、その品質もさることながら、DACとしても一番再生が難しい領域。そして、音圧競争に揉まれた音源とそうではない音源では、聴感上のレベル差が15-20dB程違うこともしばしば。ソフトウェアの音量調整も64bit Float精度になってきていて、20dBそこそこ下げるだけなら、発生する量子化ノイズは熱雑音より小さい。悪影響なく自動的にDACの性能を引き出せるレベルまで絞れて、なおかつアルバムごとにボリュームを回しまくる必要もなくなる。

もう一方で必要なのはDACをはじめとしたシステムの素性を知ること。弱点のない機器なんてものは存在しない。Stereophile、Hi-Fi news、AudioScienceReview等々、今は第3者による機器の測定結果が簡単に見れる時代。例えばDACなら、どのくらいから歪率が上がるからデジタルであらかじめこのぐらい絞っておく、USB入力が一番良いんだけどジッタースパイクが見えるから何かしらで対策する、出力はXLRが良さそうだけどRCAに比べて出力レベルが大きい上に歪み始めるのも早いからプリのゲイン設定の最適値を探すetc。測定というのはどうしようもない欠陥品を避ける目的もあるけれど、それよりも有益な使い方は、出音に惚れちゃった機器の真価をより引き出すために参考にすることだと思う。

忘れてはならないのは、自分の聴感上の傾向を知ること。特に音場に関する感じ方は人によって大きく異なる。左右の絶対位相感はある程度訓練(Phaseメータ見ながら聴いたり)によって伸びるけれど、奥行き方向は限界がある。音量、帯域、リバーブetcのどれが主要因になるかが人によって大きく異なるし、同じ関係性を持つ人はおそらく二人といない。

例えば自分は、帯域のDIP or Decayみたいなものが奥行きの要因として比較的大きい節があって、DSP等で帯域をフラットにすると全く持って奥行きが分からなくなる。あと、オールドスタイルなスピーカーでハマると異様に奥行きを感じたりもする。録音で言うと低域の暗騒音に敏感。近年はデジタル初期から続く、DGの4D録音/OIBP復刻を代表としたマルチマイクの位相補正に対する近視眼的呪いや、暗騒音への異常な執着が無くなってきたせいもあって、良く聴こえる録音が多くなってきた。

彼を知り己を知れば百戦殆うからず、今年の抱負として。